開湯が享保年間(1716年〜1736年)というから江戸時代も半ばの頃。豊後国に住む猟師の豊介夫婦が、一人娘の加代と仲良く暮らしていた。豊介夫婦にとって加代は掛け替えのない宝物でだった。身贔屓(みひいき)分を差し引いても、娘の加代は頭はいいし顔も整った美形だった。しかし一つだけ悩みがあった。加代の皮膚が黒すぎることだった。嫁入を前にして親の心配は尽きない夫婦は、そそり立つ岸壁の上に祀ってある薬師如来に朝晩願をかけた。そんなある日のこと、いつものように如来さまの前に跪(ひざまず)いていると、突然目の前を大きな鹿が足を引き摺りながら横切った。その時に鹿が温泉で傷を癒しているのを見つけ、そして岩の奥の壁から湧出している温泉を発見した。これが壁湯温泉のはじまりと伝えられ、また壁からお湯が湧いていたことから壁湯と呼ばれるようになった。温泉の泉質は弱アルカリ性単純温泉。源泉温度は39℃。
【開湯日】
享保年間(1716年〜1736年)
【温泉の泉質】
弱アルカリ性単純温泉
【温泉の温度】【源泉のpH値】
37.0度 7.9の弱アルカリ性
壁湯温泉 アクセス
●JR久大本線➡特急➡豊後森駅➡バス➡宝泉寺行➡壁湯バス停下車➡壁湯温泉
●JR久大本駅➡豊後森駅➡バス➡小国行➡約30分➡壁湯下車➡壁湯温泉
●JR久本本線➡豊後森駅➡バス➡宝泉寺温泉入口行➡約20分➡壁湯下車➡壁湯温泉
●JR九大本線➡豊後森駅下車➡バス➡宝泉寺行➡壁湯下車(タクシー約15分)➡壁湯温泉
●JR九大本線➡豊後森駅下車➡タクシー約15分➡徒歩約100分➡壁湯温泉
●JR久大本駅➡引治駅出口➡徒歩約43分➡壁湯温泉
●JR小倉➡日豊本線➡大分駅➡久大本線➡特急約1時間12分➡豊後森駅➡壁湯温泉
●JR東京➡新幹線➡博多➡久大本線➡久留米経由➡特急➡豊後森駅 ➡壁湯温泉
●大分道➡九重IC➡R210➡県道681号➡R387経由➡9km➡約15分➡壁湯温泉
●博多方面➡大分道➡玖珠IC下車➡約15分➡壁湯温泉
●別府方面➡大分道➡九重IC下車➡約10分➡壁湯温泉
●大分空港➡大分空港ノンストップ高速バス➡約55分➡湯布院駅➡壁湯温泉
壁湯温泉 近くの観光スポット【仙洞の滝】
大分県玖珠郡九重町の壁湯温泉から、国道387号線を約200m上流にある仙洞の滝。落差8m、幅25mの滝で、仙女が舞い降りた伝説が残り、水量も豊富でテーブル状の棚から一気に落ちる様はミニナイアガラにふさわしい。正面から見えないのが残念なところ。