北上川と和賀川の合流点に位置する夏油温泉(げとう)。その歴史は古く850年以上前に遡り、標高700mに広がる陸奥の秘湯。開湯伝説では、平家の落人の末裔・高橋四郎左衛門が巨大な白猿と戦い、その翌年に白猿が気になり山中深く入った時に、その白猿が温泉で傷を癒していたのを発見した。それが夏油温泉の始まりと云われ、夏油渓谷のいたる所から温泉が噴出しており、源泉ごとに泉質が異なる効能豊かな名湯。また夏油の語源は様々で、アイヌ語のグット・オ(崖のあるところ)からの説と、夏の日差しに湯が油のようにユラユラ揺れて見えたと云う説があり、その由来は神秘に包まれる。かつて温泉街の天然洞窟内に温泉が湧き出た洞窟風呂が存在した。温泉の泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉ほか。温泉の効能は神経痛、筋肉痛、関節痛、胃腸病、冷え性、痔疾、婦人病、動脈硬化など。
【開湯日】
850年前(詳細は不明)
【温泉の泉質】
ナトリウム・カルシウム-塩化物泉ほか
【温泉の温度】
41~59度
夏油温泉 アクセス
●JR北上駅➡バス➡夏油温泉行き➡終点下車➡約1時間5分
●東北道➡北上江釣子IC➡県道122号線経由➡車➡約45分
夏油温泉 近くの観光スポット【天狗の岩】
天狗の岩は、何万年もかかって、温泉に含まれる成分が少しずつ固まり、巨大な石灰華ドームができあがった。高さは17.6m、下底部の径は約25m、頂上部は約7mと巨大ドームは湧き出た湯が沈着して形成されたもの。夏油温泉の上流にあり、昭和32年、国の特別天然記念物に指定された。